体の もともとの チカラを 活かす              
 
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◆腰の力と、腹の力。

からだの部分でどこを特に観るのかといいますと、腰とお腹です。
病気や症状に関わらず、重視するところです。
からだ全体のチカラ、生命力が現れる部分です。

腰は、その漢字に「要(かなめ)」とありますように、体の要所です。いい腰というのは、反り(そり)がある腰、弾力のある腰といわれています。弓道の弓のように、よくしなり、スムーズに可動できる腰のことです。年齢に関わらず、腰に反りがある方は、若々しいです。80歳を過ぎても腰に力がある方は、カクシャクとしています。逆に、腰に反りがない方は、年齢は若くても、腰は老けているといえます。

腰は、その方の生命力が端的に現れるところです。
何か病気や症状が生じた際でも、腰がしっかりとしていると、からだの力で経過させやすいです。
病気や症状を、まず、からだそのものがしっかりと受けとめることができるからです。
「体力」といいますと、筋力や持久力のように思われていますが、ここでいう体力は、体そのものの力を発揮できることをさします。

腰の調整は、大切です。
腰に、反りがなく、弾力のなくなった方には、その反りや弾力を取り戻せるようにしていきます。
そうすることによって、体全体のチカラを高めることができます。
元気の素です。

また、腰は、行動力とも関連しています。
腰に反りがなくなり弾力がなくなると、行動力が乏しくなります。何かしたいと思っても、すぐにサッと動けません。頭ではしたいと思っていても、思っているばかりでなかなか実行に移せません。時間がかかるようになります。腰の力を取りもどすことで、行動力の面も変わってきます。

腰の調整は、男性と女性によって異なります。
一般的に、男性は、引き締まり、閉まる方向に調整します。
女性は、ゆるむ、開く方向に調整します。

お腹の状態を重視します。
いいお腹とされているのは、まずは、お腹全体がやわらかく、かつ、弾力のある状態です。お腹は、精神的なこと、感情的なこととも関係しています。憂鬱な気分になったり、緊張感不安感が強いと硬くなります。あるいは、ぺそっとした平らな、ゆるみすぎて力のない状態になることがあります。これはあまりいい状態ではありません。

部分でいいますと、 水落ち( みぞおち)がゆるんでいて、丹田(たんでん)が充実している状態です。この両方を兼ね備えているのがいい状態です。

水落ちは、心身のリラックス度を現しています。ここが硬いと、緊張感不安感が強くなります。落ち着きがなかったりイライラしたり焦りやすくても、硬くなります。また、人との関係では、共感し受容することと関連しています。話を聞いてもらっても、相手の水落ちが固いと、聞いてもらえた感じがしません。得心できません。

丹田は、リードする力、行動力、決断力、集中力を現しています。武道の達人がその部屋に入って、場を制する印象を与えるのは、この部分の力です。人との関係では、自己主張する、意見を伝えることと関連しています。大切な取り引きなどでは、丹田に力があると、リードすることができます。

人の生きる毎日は、エネルギーを使うことの連続です。何か特別なことをしなくても、エネルギーは使っています。テレビやDVDを見るのも、山や海にでかけるのも、献立を考え料理を作るのも、エネルギーを使うことです。

何か目的を持って、ひとつのことに気持ちを向けて集中している状態は、からだでいえば、緊張する方向に行っている状態といえます。

逆に、一般的にいって、寝ているときやお風呂に入っているとき、休日に休んでいるときには、ゆるんでいる状態です。しかし、ゆるんでいいときに、ゆるめないと、疲れや緊張をほぐすことがむつかしくなります。一般的にいって、寝ている間も頭の緊張が続いていると、眠りの質は低下します。

睡眠時間を時間の長さとしてはとっていても、からだが休んだ感じがしません。疲労感がとれないままでは、自分のエネルギーを有効に使うことがむつかしくなります。

ゆるめる水落ち、充実した丹田になれる、弾力のあるからだを取り戻すことで、このように、毎日の過ごし方の質が変わってきます。

また、水落ちのゆるみは、人の「品(ひん)」と関連する、といわれています。
丹田の充実は、人の「格(かく)」と関連する、といわれています。
水落ちと丹田の調整をすることで、人に与える印象も変わってきます